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神奈川県、新型コロナウイルス感染症対応医療機関に経営改善コンサルティング経費3分の2を助成

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 レポート

神奈川県、新型コロナウイルス感染症対応医療機関経営改善⽀援事業を活用する

解説 株式会社日本経営 / 副部長 兄井利昌

本支援事業は、申請書提出期限2021/1/29をもって、受付を終了いたしました。

神奈川県では、県下の新型コロナウイルス感染症対応医療機関を対象に、経営改善のためのコンサルティングに要する経費の2/3以内(⼀病院当たりの補助額上限6,666,000円)の額を助成する支援事業が開始されている。

当事業の予算が2億円強であることから、仮に1病院あたり最大額6,666,000円が承認された場合、活用できるのは13病院程度、半額の3,333,000円であっても26病院程度しか活用できず、当事業は予算がなくなれば終了する。

申請書提出期限が、令和3年1月29日までとなっていることから、是非、このタイミングで活用の検討をお勧めしたい。

神奈川県におけるコロナ禍の影響

2020年6月15日に、神奈川県病院協会から提出された「神奈川県新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査」は、「4月の利益率が全病院の平均で13.1%の赤字となり、感染患者を受け入れている病院の約8割が赤字」という衝撃的な内容でした。

11月に入り、新型コロナウイルス陽性患者数は累計1万人を超えました。この患者数は収まるどころか増加段階にあります。これに伴い、11月13日には神奈川県知事から医療アラートが発出されました。
(参照:<新型コロナ>医療アラートを発出!~神奈川県知事からのビデオメッセージ~

コロナ禍による医療機関の経営は、非常に厳しい状況です。一旦持ち直した病院もあるかもしれませんが、GOTOキャンペーンによる第三波で経営状況に追い打ちをかけることは安易に予測できます。
(参照:神奈川県内の最新感染動向

このような厳しい状況ではありますが、それでも黒字化を目指した経営改善の取り組みや、職員のモチベーション向上のための取り組みを先手で行うことが求められるのではないでしょうか。

(関連セミナー)
<終了>【Web受講 20/12/18】神奈川県医療機関経営改善支援事業がスタート!~コロナに負けるな 神奈川県内の病院向け経営改善支援セミナー~

今まさに、病院の経営改善が求められる

前年対比の計画策定、従来の予測はこの環境下では通用しません。今の病院の資産を最大限に活用して、このコロナ禍で経営するために何が必要かを、新たに考えることが求められます。

そのためには、事業計画の策定や病院経費の大部分を占める人件費コントロール計画、また、職員のモチベーション向上施策にまず着手することが必要ではないでしょうか。

コロナ禍で減った外来患者数が昨年と同様の水準まで戻るでしょうか。外来人数の減少からくる入院稼働率の減少など様々な課題に直面していることと思います。

今の経営を守るためにも、そして新しい時代に病院を残すためにも「待ち」ではなく「攻め」の姿勢で取り組むことが必要です。

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タスク・シフティング事務局の運営から学んだ申請手続き

当社は、令和2年度タスク・シフティング等勤務環境改善推進事業の事務局を行っています。事務局を運営するなかで学んだ様々な手続きから、当事業の申請でも有効だと考えられる事項についてご説明いたします。

まずは概算請求することから

申請が承認されるかどうかは、評価委員会やその事業機関等の判断によって決定されます。したがって、申請の段階で承認の可能性があるかないかを判断することはできかねますが、事務局では、「まず申請してみた方がよい」とお伝えしています。

今回の事業は概算請求であり、金額が確定してから請求するものではありません。どの程度の費用が掛かるかを計算した段階で申請ができますので、まずは必要経費の概算を計算してみましょう。

申請はスピードが命

申請しても事業予算が消化されてしまうと、当然補助を受けることはできません。また、申請終了期日(令和3年1月29日)に近づくほど、申請数や申請予算から全額が承認されるかわからなくなります。

早めに申請することで金額が減額されずに(調整されずに)補助されると考えられますので、申請間際ではなく余裕をもって申請することをお勧めいたします。

何が補助金の対象となるか、しっかりと確認する

まずは何に対して補助金が出るのか、対象条件は何か、いつまでに申請が必要かを確認しましょう。

新型コロナウイルス感染症対応医療機関経営支援事業、申請書関係
新型コロナウイルス感染症対応医療機関経営改善支援事業費補助金交付要綱
パンフレット

(1)何に対して補助金が出るのか

新型コロナウイルス感染症対応医療機関経営改善支援事業コンサルティングの委託に要する経費

(2)対象条件

  1. 神奈川県中小企業制度融資の対象外であること(常時使用する従業員数が、法人:300人超、個人:100人超)。
  2. 開設者が県、市町村、地方独立行政法人、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人地域医療機能推進機構、独立行政法人労働者健康安全機構又は公立大学法人でないこと。

(3)補助額の算出方法

補助額は、前条の規定により算定した額を限度とし、その算出方法は、次によるものとする。

  1. 新型コロナウイルス感染症対応医療機関経営改善支援事業コンサルティングの委託に要する経費の3分の2以内の額。
  2. 前項の規定により算出した補助金の額に千円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。
  3. 一病院当たりの補助額は、6,666,000円を限度とする。

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神奈川県に聞く、補助金に関するQ&A

このQ&Aは、当社が「神奈川県健康医療局保健医療部医療課 地域包括ケアグループ」に問い合わせをして回答を得た内容となります。

Q.本補助金の支給により実現したい成果

Q.本補助金の支給により実現したい成果はどのようなものでしょうか。

A.アウトカムとしての県内の医療提供体制の確保につながる医療機関の経営の安定化と健全化を図ることを成果として期待しています。

Q.本補助金の支給可否の基準

Q.本補助金の支給の可否は何を基準にきまるのでしょうか。

A.補助要綱第1号様式別紙2やその添付資料の記載内容を踏まえ、「自院の取組内容」なども参考に総合的に判断いたします。

Q.アクションプランの実行支援コンサルティング

Q.経営改善アクションプランへの補助とありますが、アクションプランの実行支援コンサルティングも含まれるという考えでよろしいでしょうか。

A.対象とすることも可能ですが、令和2年度中に事業を完了する必要があることを御留意ください。

Q.事業計画と経営改善アクションプランは同一の意味か

Q.申請書内における事業計画とパンフレット内における経営改善アクションプランは同一の意味として解釈してよいのでしょうか。

A.パンフレットにおける「経営改善に向けたアクションプラン」とは、補助事業計画書中の「事業計画」の一例です。

Q.事業計画策定の一部を委託する場合

Q.事業計画策定の一部を委託する場合も対象となるのでしょうか。例えば収益シミュレーションのみ委託や、コスト計画にかかる人件費シミュレーションや制度策定にかかる委託、教育計画策定にかかる委託等も対象になるのでしょうか。

A.委託元(=補助事業者)の意向にもよりますが、対象となり得ます。

Q.コンサルティングにおける想定成果

Q.コンサルティングにおける想定成果は定量的なものである必要があるのでしょうか。

A.委託元(=補助事業者)の意向にもよりますが、定量的なものに必ずしも限りません。(ただし、定量的な目標があることは望ましいと考えます。)

Q.利子補給事業と医療機関経営改善支援事業における予算配分

Q.利子補給事業と医療機関経営改善支援事業(コンサルティング支援事業)における予算配分はどの程度をお考えでしょうか。

A.コンサルティング支援への配分は総額233,334千円です。

Q.すでに締結しているコンサルティング契約

Q.現在すでに締結しているコンサルティング契約は、今回の事業の対象となるのでしょうか。

A.対象外です。

Q.申請は、法人単位か事業所単位か

Q.本事業への申請は、法人単位なのか事業所単位なのかどちらでしょうか。例えば2つの病院を有する法人で、異なるアクションプランとなる場合は、2つの病院でそれぞれ申請をするという認識でよろしいでしょうか。

A.そうした案件がある場合は、個別に当該医療機関からご相談頂いた上で検討します。

Q.契約した後での申請か、見積書等の段階での申請か

Q.本事業への申請する場合は、コンサルティング会社を選定し、契約した後での申請となるのか、それとも、委託予定コンサルティング会社の選定および費用がわかる見積書等の段階で申請することになるのでしょうか。

A.見積りの段階で申請をお願いします。交付決定後に契約したものが対象となります。

Q.助成を受けられる時期

Q.申請が承認された場合に助成を受けられる時期はいつになるのでしょうか。

A.事業完了後(補助事業者による検収確認及び支払いが完了した後)になります。

Q.今年度(2021年3月31日)を超える契約

Q.契約期間として、今年度(2021年3月31日)を超える契約も今回の事業の対象となるのでしょうか。例えば、2021年1月~2021年12月まで等の場合はいかがでしょうか。

A.対象外です。

Q.本事業の取組結果の報告

Q.承認後の本事業の取組結果の報告は第4号以外に指定のコンサルティング実績報告書はあるのでしょうか。

A.補助事業の事業実績として報告を行う「成果の概要」は個々の事業により様々であると考え、所定の書式を規定するなどの対応までは行わないこととしました。必要に応じて成果品又はその概要を添付するなどして成果の概要が確認できるようにして下さい。

Q.計画通りに進まなかった場合の返金等

Q.アクションプランが計画通りに進まなかった場合、返金等は発生するのでしょうか。

A.補助要綱等に反する不正利用(目的外使用)などがない限り返金は求めません。

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補助金のコンサルティング活用例

神奈川県から、事業計画策定に寄与するもの、実行支援に寄与するものも支援事業の対象になると回答を得ました。

日本経営では、「コロナ禍における病院経営改善を目的とした事業計画の策定」や「人事管理計画の策定」等の、様々なコンサルティングをご提供させていただきます。

例えば、

・医師の働き方改革計画の策定
・事業計画実現のための役職者研修
・事業計画の策定を推進する人事評価制度の構築
・RPAの導入
・賃金制度の構築
・コスト削減計画の策定

など、事業計画や実行支援につながる内容が組み立てられると考えられます。

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この支援事業が、令和3年度3月31日までの納品スケジュールが必要であるため、「すぐに経営改善手法や事業計画が見たい」「当院に必要な人件費管理手法が知りたい」等のご要望にも短期間で集中してご対応させていたただきます。

ぜひこの機会に、実績豊かな日本経営のコンサルティング・サービスをご活用ください。

(関連セミナー)
<終了>【Web受講 20/12/18】神奈川県医療機関経営改善支援事業がスタート!~コロナに負けるな 神奈川県内の病院向け経営改善支援セミナー~

このレポートの解説者

兄井利昌(あにい としまさ)
株式会社 日本経営 コンサルタント

病院組織・人事コンサルティングの東京部門を率い、医師・職員の人事評価制度構築に精力的に取り組む。病院の特徴や外部環境を踏まえたコンサルティングには定評があり、多くの病院で、働き方改革や同一労働同一賃金の対応指南役を務める。

<免責事項>

  1. 当ご案内が必ず補助金・助成金の対象となるかは確約できません。
  2. 当社は、補助金申請・助成金にかかる申請代行は行いません。
  3. 当社は、成果報告書等の報告書の代行作成は行いません。
  4. 当資料に掲載されている情報には万全を期してはいますが、確実性や完全性を保証するものではありません。
  5. 当社は、お客様が当資料から入手された情報により発生した、あらゆる損害に関して一切の責任を負いません。利用に関しては、お客様の責任において行って頂くようお願いいたします。

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